F1アゼルバイジャンGPは市街地を利用した観光も楽しめるコースです

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F1アゼルバイジャンGPの舞台であるバクー市街地コースは新市街から旧市外の城壁をグルっと回って海岸沿いに新市街へと帰ってくるコースです。セクター1は新市街の中を旧市街まで走る典型的な市街地コースで、直線と90度コースの組み合わせから成っています。
セクター2では旧市街地の城壁イチェリシェヘルの周囲を回り、セクター3は海岸沿いの直線メインで、最もスピードの出る約2.2kmはデッドヒートで盛り上がる区間です。
バクーはペルシャ語で風の街を意味し、その名の通り海岸から強い海風が吹きますので、いかに風の影響を受けないように加速するかもポイントになります。

セクター2は最大の難所

F1アゼルバイジャンGPの最大の難所となるのがセクター2の旧市街地です。北側のシェハマ門近くにあるターン8からターン11にかけてのスラロームセクションは道幅7.6mとマシン1台が通れる程度の狭さですので、いかに正確にコーナーをこなしていくかがポイントとなります。また、ターン14からは下り坂になっており、きちんと減速していないとターン15の出口に接触する危険もあります。
旧市街地の路面は石畳でできていて、F1マシンが安全に走行できるように路面に保護シートを敷いた上に簡易舗装を行って安全にレースが行えるようにしています。これはあくまでもレース期間中の措置で、レース終了後に簡易舗装を撤去して元の状態に戻します。

旧市街地の見どころ

コーカサスのドバイと呼ばれるほど著しい発展を遂げ、F1アゼルバイジャンGPをはじめとした様々なイベントを行っている首都のバクーですが、都市としての歴史は古く、旧市街地には世界遺産に認定されたものも多数あり、今回のコースとなっている城壁イチェリシェヘルもその一つです。一般的に旧市街はイチェリシェヘルの内側と城壁周辺の部分を指します。
新市街の新しく建築された現代建築群とは対象的に、シルクロードの中継地点としての面影を残す旧市街、砂漠色の干し煉瓦による建物が立ち並ぶ路地では中世の雰囲気がそのまま残っています。宮殿やモスク、キャラバンサライといった交易当時の建築物がそのまま残っていますので、どこか中東の街のような雰囲気も醸し出しています。
その一方で外壁やドアの装飾、張り出したバルコニーなど、ヨーロッパのアールヌーヴォーの影響も感じられますので、この街が交易で栄えたことを思い出させてくれます。